「えー!まっぢで!?」
「うそついてどうするんだい?」
「だって!うそでしょ、手塚キモいじゃん!」
「手塚はキモいよ。」
「…」
断末魔のごとく大声で奇声を発した人物、皆様ご存知菊丸英二。
そんな彼をやんわりとせいしそして呆れさせている、これまた皆様ご存知不二周助。
この物語は二人がお互いの恋人についての話をするようになることから始まる。
放課後、三年六組乙女倶楽部
菊丸英二に不二周助。二人は自他共に認める大親友である。
そしてそして、彼らの結束をさらに強くしたのはある共通点のせいであろう。
・・・その共通点、とは禁断の花園へと同時期に足を踏み入れたことである。
・・・少し解りにくい説明で申し訳ない、まぁぶっちゃけホモなのだ。
自分は同姓を好きになってしまった、こんなことを言ったら嫌われるかもしれない、
でもだからってこのもどかしさの中で今まで通り接せれない、ていうか色々と相談したいし!
と思った双方なんと同じ日同じタイミングで自分がホモだと報告したのだから
これまた笑え、いやいや驚きである
まぁ何はともあれ『なんだ、お前も俺と一緒だったのかよ、あっはっは』状態に陥りテンションが高くなってしまった二人はその日のうちに想い人に告白しなんと驚いたことに二人そろってOKをもらってしまった。
これを運命と呼ばずしてなんと呼ぶのだろうか。
「良かったよね、どっちかはKOされなくて」なんて普段は言わない彼が反応に困るようなギャグを飛ばすほど二人は驚きそして喜び合ったのだった。
が、しかし。
付き合わなければ解らなかった事も多々あり段々とストレスが溜まっていく双方。
菊丸は恋人に優柔不断さを感じ、不二は恋人にキモさを感じ限界が近くなってきていることをなんとなく感じてきていた。 しかし自分たちは良いが親友カップルだけは別れて欲しくない、なんて熱い友情で結ばれている彼らは一週間に一度互いの恋人の愚痴を言ってストレス発散をしようと考え付いたのであった。
普段教室や部室では話せないようなあ〜んな事やこ〜んな事を放課後を利用して語りつくす。
そしてそれは効果抜群、なんだかんだ言いつつもう少しで付き合いだして一年たっちゃったりしちゃうのである。
さて、今回の談合はかれこれもう何回か数え切れないほどの数になる。
話の内容はもちろん二人の恋人の愚痴であったり悩みであったりノロケであったり・・・。
「不二ってさぁ・・・。手塚の事ちゃんと好きなんだ、よね?」
「じゃなきゃとっくに別れてるって。
英二が話をきいてくれたから僕は手塚とこんなに続いてるんだよ?」
「不二・・・!愛しい!」
「英二っ!」
ギュッなんて効果音が付きそうなくらいに硬く抱きしめあう二人。
なんかもうお前らが付き合っちゃえよ、なんてつっこみをしても彼らには届かない作者のこのもどかしさをどうか皆様解っていただきたいと思う。
「でもいきなりなんでさ?」
「・・・んとねー。大石がねー・・・。昨日手塚が落ち込んでたって。」
「・・・なんで?」
「不二が自分のことちゃんと好きかで。」
「ちっバカ塚め。」
「あっ、新たなあだ名が!」
コホン。皆様もちろんご察知ずみだと思いますが、
彼、不二の恋人は青学最強の男と名高い手塚国光である。
顔も良くて頭も良くてスポーツもできるそんな漫画みたいな最高の男に
不二氏もコロリと落ちてしまった。
のだが。実際はヘタレでキモくて男子中学生らしい(それ以上?)エロさを持った男であった。
不二に対する想いは誰にも負けないと豪語しそしてその事で不二にしかられる可哀想な男でもある。
そんでもって菊丸の恋人は爽やか卵の異名をとる青学のブレーン、大石秀一郎である。
優しくて面倒みが良い彼にこれまたコロリと菊丸は落ちてしまった。
しかし彼の優柔不断さと優しさに菊丸氏はキレた。
どうやら自分以外の人に優しくしないで欲しいらしい。
まぁそれはどこのカップルにでもあるようなことであるので実際は菊丸もそんなには気にしてない。(多分)
問題は他のところにあるのだ。
「まぁまぁ、ボクは良いからさ、そっちはどうなの?」
「・・・どうって何が?」
「大石とエッチできた?」
「!・・・ぎゃ〜、不二のバカチン!」
「できなかったのか・・・。」
そう、菊丸の最大の悩みとは相手と一線を越えたかどうかということなのである。
塚不二カップルは付き合いだしてわずか三ヶ月でしてしまうのだが、
それは手塚の火事場のバカ力ならぬベット上のエロ力のせいである。
手塚に意図も簡単に押し倒されてしまった不二はそりゃもう驚き普段の冗舌が抜けたようになってしまって、なすすべもなく押し黙ることしかできなかったという。
今までに感じたこともない屈辱だったであろう。
しかし『手塚にムカついた時はあのときのお尻の痛さを話題に出しでネチネチいじめれるからいいんだけどね』、なんて不二氏は語っているのだが。
まぁ、それはおいといて。
不二が手塚に襲われたと聞いて羨ましがったのは菊丸である。
『俺も大石に襲われたい!』
そんなことを大石が決してするわけがないと思いつつも【大石が英二にドキュンとしちゃって我慢できなくなって押し倒しちゃう計画】を不二は作ったのであった。
ちなみにこの計画、勃発してからかれこれ8ヶ月立つが、もちろん成功したことはない。
「う〜ん、【あれ、ポケットの中から出てきたこれってコン●ームじゃない?!】作戦は失敗だったんだね。まぁ思ったとおりだよ。あはは。」
「えっ、なにそれなにそれ!」
「あっ、ごめんごめん。だって大石ってコンドームの存在すら知らない気がするもん。」
「失ッ礼な!そんなことないもん〜!」
まぁ、14歳の少年がコンドームの事を知らないとしたら確かにヤバイ。
しかしコンドームコンドームを連呼する彼もどうかと思うがな。
「うん、多分コンドームを発見した大石は見てみぬ振りでもしたんでしょ?」
「うっ、それは否定できない・・・」
「顔を真っ赤にさせてね!『なんで英二がそんなもの・・・!』って感じでさ!」
「不二、的中」
「あ、やっぱり〜?あはは。でもまぁさすがに大石も気づいてるんじゃないの?
でもやっぱなかなかできないっていうかさぁ。」
あっけらかんと言う不二にもちろん菊丸は納得できない。
二人は親友であると同時にライバルでもある。
大好きな大石とエッチをしたいというのが当然一番の理由だが
なんとなく不二に負けてる感があるのが彼は嫌なのだ。
(・・・しかし本当の所、ライバル心は菊丸のまったくの片思いで不二はそんなこと少っしも思っていなかったりする。哀れ・菊丸。)
そしてそのうち、自分が悪いのではなく中々そういうことに踏み込もうとしない大石が悪いんだ、なんて思うようになるのもしょうがないと言えよう。
まぁ実際そうだし。
「・・・手塚のエロさを大石に分けてもらいたい・・・。」
「あぁ、あぁ。それはボクも是非差し上げたいよ。」
遠い目をして呟く不二に菊丸も「きっとすごい事されちゃってるんだろうなぁ」なんて思っていた。
「確かに手塚のエロさを大石に上げたらバランス良くなってるかもね!
英二もボクも嬉しくてまさに一石二鳥じゃないか。」
ここだけの話だが、手塚のエロさを語るとき不二はテンション高くなる、と菊丸は常々思っていた。
最も、案外スキモノなんじゃないか、というつっこみはした後がどうなるか解らないので到底できないのだが。
そして鼻息荒めに不二が話をしていくと、一体どんなことをしているのかと気になってしまうのは当然のことだ。まだ14歳の性しょうね・・・、いやいや青少年なのだから。
「・・・つかぬ事をお聞きしますが手塚はどんな事をしてくるのでございますか?」
間違ってそうな敬語を駆使し菊丸は不二に聞いた。
不二は少し黙り考えるような仕草をし、ニヤリと暗い笑みを見せながらその口を開いた。
菊丸がその笑顔をみて悪魔の申し子だと思っていることを知らずに。
「・・・・・・・・・・・・・そうだねぇ、かなり優しく説明するとボクの◎Э#( ピ―――)を※*★(ピ―――)して℃ゝ>$(ピ――――)もしちゃってさらに▼£◇Θл(ピ―――――)しちゃったりして。」
※制作上の都合により伏字とさせていただきます。
伏字の中身は個々で考えましょう!
「えー!まっぢで!?」
「うそついてどうするんだい?」
「だって!うそでしょ、手塚キモいじゃん!」
「手塚はキモいよ。」
「…」
そして、話はやっと冒頭に戻るのだ。
「うっわ〜ぁ、どうしよ俺が大石にされたら・・・!」
「大丈夫、そんなこと絶対ありえないから。」
「夢見させてくれるくらいいいじゃーん!」
「そんな夢みなくてよろしい!」
おそらく天変地異が起きることの方がよっぽど可能性が高いだろう。
とは不二の心のつっこみだ。
「そっか〜、そんなことしてるんだぁ・・・。」
「・・・されているんだよ!」
「えー、だって抵抗しないんでしょ?」
「ち、違うって!無駄に力があるから抵抗できないんだもん・・・。」
いつもは見た目以上に男らしく、口が達者な不二がこの反応。
先ほどの恐ろしさはどこにいってしまったのか解らないほどのこの可愛さ。
菊丸が面白がって攻撃をしだすのもこれまた当然のことである。
「じゃぁさぁ、じゃぁさぁ・・・。最近いつエッチしたの?」
「え”・・・!」
なんて普段の不二に聞いたら呪われてしまいそうな質問を菊丸はここぞとばかりに投げかけた。
「いつ??ねぇ、いつだよぉ!」
「そ、それは〜。それはそれは・・・。」
不二は痛いところをつかれてしまったとばかりの顔をし、うろたえた。
菊丸は表面はビックリしたような表情をしていたが裏面では珍しい不二を見れていることを喜んでいた。
「・・・?なんで言えないの?えっ?・・・・え”っ!?もしかして・・・!?」
「ち、違う違う違う!してないしてないしてなぁ〜い!」
「じゃぁ言えるだろ!今日なんだ!今日したんだろ!絶対そうだ!」
「何言ってんだよ、するわけないじゃん!場所もないし時間もないし!」
「昼休みに生徒会室!」
「ないないないない!!」
「ビンゴだな!絶対当たったな!」
「当たってないよ、自己完結しないでよ!」
こんなことを言いつつも、菊丸の言うことはちゃっかし当たっていたりする。
手塚が鍵を保有する生徒会室に昼休みに一緒にお弁当を食べそのあとコトに及んでいたのだ。
そしてそれは不二からの誘いだったりするのである。
これから記するのは、さかのぼる事 ん時間前の生徒会室での出来事である。
「最近してないな。」
「何を。」
「わかるだろ。」
「むっつりめ。」
「オープンだ。」
「・・・まさか今しようってことじゃないよね?」
「いや、さすがにそれはな。」
と、ここでこの話は一先ず終わったのだが、この次が問題なのである。
手塚も別にいますぐしたかった訳ではなく、今日の部活が終わったらどちらかの家に行ってしたい、というのをそれとなく匂わせただけなのであったのだが・・・。
「・・・・・・いいよ。」
と不二が言った言葉に手塚はしばらく反応できなかった。
「え。」
「してもいいよ。なんか今そういう気分かも?」
まさか今すぐするつもりなんてなかったのにこんな展開になるなんてこれぞまさしくタナボタである。
「・・・・・・・。」
「神聖な生徒会室じゃそんなことできない?」
上目遣いで薄く微笑む愛しい人を前に我慢できる男なんているのだろうか。いやいるはずがない。
そして手塚も例外ではなく・・・。
「・・・・・・!ふ、ふじ・・・!」
「重い。」
「お前のせいだ。」
「手塚が重いのはボクのせいじゃないだろ。・・・ん てづか・・・。」
そうして神聖な生徒会室でニャンニャン(死語?)してきたのである。
手塚の事をエロいキモいへタレだと言いながらも自分もすっかり手塚色に染まっていることを不二は少しずつ気づいてきている。
でもだからって今まで散々菊丸に愚痴っていたのにそんなこと言える筈もなく。
ましてや自分から誘ってついさっき学校でしてました、なんて事も言えなく。
悶々とした日々不二は送っていたのだった。
ところで何事も度を過ぎてしまうのはいけない。
そろそろ菊丸も自分のした事に気づく頃であろう。
「ふふふ・・・。英二くーん・・・!いいかげんにしないとだねぇ・・・?」
悪魔の申し子ではなくまさしく悪魔という笑みで不二は言った。
今菊丸のやるべき事は不二にさっさと謝ることである。
「はっ、す、すみばぜん・・・。」
「うむ、よろしい。」
・
・
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・
「では、そろそろ次の作戦でも考えますか?」
「はっ、是非おねがいいたしまする。」
「次は・・・。そうだねぇ。」
こんな感じで、二人は一週間分のストレスを思いっきり発散させるのである。
これはおそらく2カップルが別れるまで続くであろう。
しかし2カップルが別れる、ということは既にありえないので一生続くと思われる。
ちなみにこの次の作戦もちろん失敗しました。by不二
と、いうかこの作戦を実行する限り大菊カップルがエッチすることはないであろう、と作者は思う。
しかし例のごとく、このつっこみは彼らには聞こえやしないのだ。
しきす真弥様からの1500キリバンリク「内緒話」でございました!
これ内緒話・・・?なのかな、はたして。
うっ、も、申し訳ありません・・・!しかも長い間待たせてしまった・・・!
あわわ。こんなので良かったら是非もらって・・・く、だ、さいませ・・・!