「「ヘックシュっ!!」」


「これで、7回目よ、二人とも」


オレとサスケは、本日7回目(サクラちゃんいわく)のクシャミを同時に出した。



「二人とも、いいかげん保健室行きなさいよー。」

「サスケが行くっていったら、行ってやっても良いってばよ!」

オレはサスケを指差しながら、鼻声でサクラちゃんに言った。
勢いあまって、サクラちゃんに唾が飛んじまったみたいで、サクラちゃんは判り易く嫌そうな顔をする。
チラリと横目で見れば、サスケは鼻をかんでいた。鼻は真っ赤になってる。


オレとサスケは、昨日から風邪をひいている。二人そろってひくなんて、神様ってやつはとことんオレ達を争わせるらしい。
そう、オレたちはお互いに争って、意地張ってた。
熱ははかってねーけど、結構…しんどい。サスケもしんどそうだ。顔、うっすらと赤くなってるし。
でも、オレはサスケが保健室行くって言うまで、サスケはオレが保健室行くって言うまで、梃子でもここから動かない、と思ってる。

「サスケくん、もういい加減にして。顔赤いし、熱あるじゃないの?」

「サクラの勘違いじゃねーの。」

サスケが、鋭い目つきでオレを見てくる。オレも鋭い目つきでサスケを睨み返した。
視界の端で、サクラちゃんが大げさにため息をついて、オデコに手を当ててるのが見える。

「見てくるんじゃねーってばよ。」

「お前の方こそ、なに見てやがる。」

オレはそんなサスケの態度にムカっときた。んだって、サスケの方からオレを睨んだんだってばよ!
イライラっときて、いつものようにサスケの顔に近づいていく。
サスケもサスケで、オレに近づいてくる。息が当たるほどの距離、オデコとオデコがくっつきそうな距離。
オレ達は互いの目から視線を外さずに、にらみ続けていた。

男子高校生が二人、今にも喧嘩しそうな雰囲気でにらみ合ってたら誰かが止めに入ってきそうだけど、ここでは誰も止めに来ない。
んだって、オレとサスケのこの意地張り合いっこ、にらみ合いっこは日常茶飯事。
むしろそれがないほうが「お前ら、何かあったのか?」なんて言われる感じだから。

「サスケ、お前、具合悪いんだったら保健室行けばいいってばよ?目なんかなみだ目になってて、だっせーの!オレが付き添いしてやろうか?」

「フン。お前のほうこそ、鼻声で何いってやがる。本当はお前の方が保健室行きたいんだろうが。汗かきやがって。このウスラトンカチが。」

「二人ともどっちもどっちよ。」

サクラちゃんの呆れたような声がした。次いで、クラスメイトの笑い声も。
オレとサスケのこの掛け合いは今じゃクラスの名物みたいなもんになってるんだってば。

「サクラ、ふざけんな。こんな奴と一緒にするな。」

サスケがオレを指差して嫌そうにそう言った。
オレは当然、その言葉にムッときて。

「なんだとぉ!?」

なんて、お決まりなセリフを言ってサスケの肩を突き飛ばす。

「てめ、なにしやがる。」

「もう、2人とも、いい加減にしてよ!」

「サクラちゃん、男と男の勝負に口は出さないで欲しいってばよ!」

大げさに身振り手振りをつけた。…のが、いけなかったんだと思う。

クラって、視界がなっちまったから。
あれ?って思ったときにはもう遅くて。

「おいっ!ナルトっ!」

ってサスケの焦った声が、オレの耳に届いて、それで終わり。
オレの意識ってば、そこでプツンと切れちまった。











ゆっくりと、視界がクリアになっていく。白い天井がぼんやりとそこに見えた。
クリアになっていけば、なっていくほど、頭がガンガンと痛む。


(ん、あ…。ここ、保健室?)


いつのまにオレってば、保健室に行ったか覚えてなくて。ていうか、オレがここにいるって事はサスケもいるってこと?
左右を見渡す。うちの学校には保健室のベッドが2つある。
オレはそのベッドの窓際に寝ていたらしい。右側を向けば、カーテンが引いてあって、誰かが寝てるような雰囲気がある。
多分それがサスケだ。


そしてはっと気づいた。そうだ、オレってば倒れたんだった。
最後、サスケが心配そうにオレを呼んだ声を鮮明に思い出す。


ってことはってことは。



オレってば、サスケに負けたってことだ。
サスケを見るかぎり、オレよりもサスケのが症状ひどそうだったのに…。


はぁぁぁ、なんでだってばよ〜なんでだってばよ〜…。
なんでオレ、踏ん張りきかなかったんだろう。
これでまたサスケのフンフン具合がアップしちまう。
たとえサスケも保健室に来てたとしても、オレがきっかけって事がダメだ。負けだ。つーか気にくわねぇ。



「具合どうだ?」



ビクっとした。カーテン捲られた気配なんてしなかったから。
頭を抱えてたオレは、顔を上げて声がした方を向く。


「なんか、寝てたらすっきりしたってばよ!」

…って、言おうとしたんだけど。
顔を上げても、そこには誰も居なかった。


「…ちょっと寝たから、良くなった…。」


サスケの気の抜けたような声が横から聞こえる。(やっぱり隣にいたのはサスケだったんだ。)
なんだ、オレじゃなくて、隣にいたサスケに具合はどうかを聞いたらしい。
あ、聞いたっていうのはうちの学校の校医のカカシ先生。
保健の先生だけど、すっげー良い先生で、オレってば大好き。
オレとサスケはよく怪我するから、しょっちゅうカカシ先生にお世話になってる。
オレはカカシ先生の事好きだけど、サスケは苦手らしい。
カカシ先生が何か言っても、いつも薄い反応しかしないんだってば。
まぁ、サスケは人付き合いが苦手だから仕方がないのかもしれないけど。
(サクラちゃんいわく、サスケとこんなに打ち解けたのはオレが初めてらしい。)


だから、サスケ、カカシ先生と会話できるのかな?なんて、思っちまった。
ベッドから降りて、カーテンを開こうと思った。会話に困ってるサスケのために。
オレって、なんて優しい男!、なんて、あたりに『♪』振りまく勢いで、ニヤッとする。
そして、そうだ、いきなりカーテン開けて驚かせてやろうなんて、変な事を思いついちまった。



…思えば、この時派手に音を立ててベッドから降りれば…、あんな事にならなかったのかもしれないってばよ…。



ゆっくりと、掛け布団を体からよける。右足をソーっと床に下ろそうとしたら、ギシっとベッドが軋んでギクリとした。

けど、それはオレのベッドが軋んだんじゃなくて、隣の…サスケのベッドが軋んだようだった。

ギシ、もう一度サスケのベッドが軋む音。サスケのうめき声。そのあと暫く無言。

そんで、ため息のあと、「ふ…、バカ…。いきなり何しやがる。」っていう、熱っぽい声。

…瞬間、なんかヤバイと思った。



「汗かいとく?」

「ざけんなよアンタ。」



思わず生唾を飲み込んだ。
いや、飲み込みそうになった。『ゴクン』なんて音、出しちゃダメだと思った。
混乱する。どういう意味だ?なんて、半分くらい二人の会話を理解しつつも自問自答してみる。

「二人きりなの久しぶりじゃない?」

オレの存在無視しないで欲しいってばよ。

「隣でナルトが寝てるだろうが。」

「さっき、鼾かいてねてたよ。」

「今はかいてないだろうが。」

フウ、とカカシ先生のため息が聞こえる。そんで、あ、カカシ先生オレのベッドに向かってきてるって悟った。

死ぬかと思ったってばよ。

カカシ先生がこっち来てるって気づいたオレは音を立てないように抜き足差し足忍び足って感じで、ベッドにもぐった。
んでもギシってベッドが鳴っちまって、ごまかすように寝返りをしたふりをして、情けな〜い顔をしてみた。

「…寝てる寝てる。変な顔で。」

「音してなかったか。」

「寝返りうったみたい。うーん、ナルトは寝顔もナルトっぽいなぁ。」

どういう意味だってばよ。

カカシ先生にジットリと観察されてるのが解って、背中にいや〜な汗をかく。

「ホントにアホ面だな…。」

んで、サスケの呆れたような声・・・。
…サスケにも観察されてるらしい…。

「起きて平気なの?」

「…平気だ。…ていうか、アンタさっき起き上がるより辛い事しようとしてたくせに、よくそういう事…。」

「まぁまぁ、ねっ、ナルト寝てるみたいだし…。」

カカシ先生の、嬉々とした声が聞こえる。カーテンが、シャッってかかった音も。
恐る恐る薄く目を開けば、オレのベッドスペースには誰も居なくなっている。
隣のベッドがギシって二回なった。サスケとカカシ先生が、多分ベッドに座ったからだ。
サスケが渋ってるようで、しばらく隣のベッドからは何も聞こえなくなった。

オレは、あいしゅーってやつにに打ちひしがれた…(この間習ったばっかりだってばよ!)
…オレの親友(サスケは認めないけど)と、大好きな先生がデキてたなんて。
てゆーかホモだったんなんて。
泣きそうだってばよ…。

しかも、話を聞いてるかぎり、二人ってば、二人ってば。

えっちしちゃってるみたいだってばよ…!!!

てゆーかカカシ先生、しばらくしてないからって、ここぞとばかりにサスケとしようと思ってるみたいだってばよ。


・・・泣きそうだってばよ…。


いつもニコニコしてて優しいカカシ先生の男の部分を見ちまったってばよ…。
サスケも、今まで全然そういう事に興味を示さなかったのって、サスケの目にはカカシ先生しか映ってなかったから?

涙腺が刺激されて、目の前が歪んでいく。
…てゆーか、こんな所でおっぱじめられるなんて、たまったもんじゃないってばよ!

…今起きたって事にして、二人の前に現れれば、助かる。、そう思った。
今度は、音を立てないように、なんて思わない。普通にベッドから起きる。そして降りる。ギシって音がした。

…んでも、それより激しい軋み音が隣から聞こえたってばよ。

「んんっ…。」

…これは…!所謂喘ぎ声ってやつで…。そしてそれは、サスケが出してる声ってわけで…。
それを脳が認めた瞬間、ポロリと目から涙が零れた。


「あっ、カカシ…。」

「ん…、逃げちゃ駄目。」

逃げてくれってばサスケ〜!
何が悲しくて、尊敬してる先生と、大切な親友のえっちしてる所を聞かなきゃいけないんだってばよ〜!
でも、話を聞いてると、どうやらサスケはえっちを嫌がってるっぽい。
だから、いつものように「このうすらトンカチ!」って言ってくれると思う。
そうだ、あのサスケが学校で、しかも隣にオレがいるっていうのにえっちなんてするわけ


「あ・・・ん、カカシ…v」


あるってばよ…。

しかも、語尾にハートマークが見えたってばよ。
サスケ、お前いつからそんなキャラになったんだよ冗談じゃないってば…。

「ん、久しぶりだから緊張してるの?」

「は、あ…。そう…、なのか…?」

「俺がお前に聞いてるんだよ。」

呆れたような、カカシ先生の笑い声。
んん、って云うサスケのくぐもった声。

どうしようかと、そう思った。
このうっすいカーテンの向こう側には、ちょっと古臭い、軋む音がうるさいベッドがある。
そのベッドの、白くてのりののったシーツには、サスケが、少し汗をかいて寝転がってる。
そしてそのサスケの上には、…、カカシ先生がいるんだ。

カカシ先生が、サスケを組み敷いている。

…それを改めて考えると、頭が沸騰しそうになった…。

「あっく!」

また大きく、ギシって音がなる。ビクリと体が震えた。

このカーテンの向こう側の世界が気になる。
もし、ここで勢いよくこのカーテンを開いたら、二人はどんな顔するんだろうって一瞬思った。
でも、そんな事できるようなオレじゃなくって。
その場にゆっくりと腰を下ろした。
音を立てずに、こっそりと、ゆっくりと、下からカーテンを捲る。
カカシ先生と、サスケの下半身だけが見えた。

想像したとおり、サスケの上に、カカシ先生が覆いかぶさってる。
でも、シーツはぐちゃぐちゃになってた。
床には、サスケのカッターシャツが落ちてる。

「は、あ、ん…。ちょっ…、アンタも脱げ…。」

サスケの言葉に、カカシ先生が上半身だけ起き上がらせた。
乱暴に白衣を脱ぎ捨てて、ネクタイも緩ませる。
…なんか、先生いっぱいいっぱいだってばよ…。
ぷっ、って笑いそうになったのをこらえた。
覗いてるなんてバレたら殺されそうだ。

カチャカチャと音が聞こえる。カカシ先生が、両手で何かしてるのが判った。

「全部脱がすのはやめろ。」

「なんで?」

「嫌だから。」

「俺も脱ぐよ?」

「もっと嫌だぜ、うすらトンカチ。」

どうやら、カカシ先生はサスケのズボンのベルトをはずしてたみたいだった。
うわっ、いよいよそういう事するんだってば…。
オレ、サスケと何回も一緒に風呂入ってるけど、いまだにちゃんと見たことない。
でもカカシ先生は、何回も、もしかしたら何十回も見たことあるのかな。

「嫌だ嫌だと云われれば、そうしたくなるのが俺のさが。」

「なんてヤロウだ。」

「好きなくせに。」

クッってカカシ先生が笑う。それと同時に、勢いよくサスケのズボンとトランクスを脱ぎ取った。

「最悪だぜ…。」

「ドMのくせに。」

…オレそう思うってばよ。
サスケは、誰がどうみてもMだってば。
誰がドMだ!ってサスケがキレてる声が聞こえた。

「ばかっ、お前、そんな大声だしたらナルトが起きるよ?」

オレの名前が出された、瞬時に捲っていたカーテンを元に戻す。
サスケが「まずいよな…やっぱやめようぜ。」って心配そうな声で言ってるのが聞こえた。
オレはほっとしたような、残念のような気分に陥った。ここまできたら、もう二人のえっちを最後まで見たいような気もしたからだ。
でも、見たくないような気もする。
最後までみたら、なんかもう今までどおりに二人と向き合いないような気がしたからだ。
二人を見るたびに、「あぁこの二人はえっちしてるんだってばな…。」っておもっちまいそうだ。
でも、見たい気もする。
あのサスケがさっき出した、あえぎ声をもっと聞きたい、かもしれない。
あのカカシ先生が、さっき見せた焦った行動をみたい、かもしれない。
あぁ、でもやっぱり見たくないかもしれない…。見たくない、見たく、ない…。


「あぁっ…、あっ…!」


とかオレが願っても、どうするか二人次第なんだよな…。
ていうか、いつのまにやら行為が復活してたってばよ…。

またカーテンを下から捲る。
口の奥底から、なんかヘンテコリンな言葉が出そうになって。
心臓がひっくりかえったようにどっくんってなって。
目の前が一瞬真っ白になった。

一体オレは、どのくらい物思いにふけっていたんだってばよ。
それとも、二人の行動が早かっただけなのかな。
気がつけば、サスケが一つ(二つ?)だけ身に着けてた靴下も脱がされて。
気がつけば、カカシ先生も何も着ていない。(さっきの言葉は本当だったんだ。)

カカシ先生は、サスケの体を半分に折って、サスケのアソコに顔を埋めてた。

…これがめちゃくちゃ気持ちいいフェラってやつか…?

「かっ…、あ・・・、だ、ダメだ…。」

「もうイキそう?」

「あ、あ…、あくっ…。」

「んー。」

「あ、ちょっ・・・か、カカシ…。」

「ん、我慢。お前イッたらその気なくすんだもん。それに、疲れるでしょ?」

一応病人だからね、ってとってつけたようにカカシ先生は言った。
オレの居る場所からは、サスケの足しか見えない。
その足が、ピクンっ、ピクンっ、って動いてるのが見える。
ピクンっ。ピクンっ。ビクンっ!って、び、びびったってば…。

「あっ…あっ…、は、あ。」

「痛い?」

「は、あ、痛くない…。」

「しばらくしてなかったけど…、こっちはそんなにほぐさなくても大丈夫そうだよ?もう指奥まではいっちゃう。」

「あっくっ、あぁっ、ん…んん…ん・・・。」

今までよりも、よりいっそうサスケの息が荒くなってきた。
声も、なんかさっきよりも…、なんつーの?激しい?甘い?みたいな、感じ…だってば…?

グチュグチュ、って、音が聞こえてきて、なんだか一気にオレも変な気分になってきちまった…。
オレはごくごく普通の男子高校生で。普通にエッチな雑誌も、AVも見てて。
自分もいつかこんな事をするなんて、全然想像つかなかった。
いつも自分と騒いでる周りのやつらも、エッチな事をしてるのか、なんてフとした時に思ったりもして。
んでも、やっぱり全然想像できなくて。特にサスケがエッチしてる所なんて、他のやつらよりも想像できなかった。
…できなかったのに、今、オレの目の前で、サスケがエッチしてる…なんか、それってすっげーってばよ…。

「サスケ、もういいかな…。」

俺も限界なんだけど。

切羽詰ったカカシ先生の声が聞こえる。
チラりと二人を見て、またまたびびった。
カカシ先生が、さっきよりも強く、サスケの体を二つにおりまげてる。
あ、えっとこれなんだっけ?前AVで見た…。
あ、まんぐり返し?ってやつか?…サスケは女じゃないってばよ…。
じゃぁ、ちんぐり返しか?…まぁそんな格好させてる…。
そんで、カカシ先生がしゃがんでる様な格好で自分のチンポをサスケに入れようとしてるんだけど…。
そんな体勢とってるから…、

…丸見えだってばよ…!!!!

「サスケ、入れるから…。力ぬいて。」

先生のチンポが、サスケの尻の中にゆっくり入っていくのが見える。
もしかして、オレが居ることに気がついてて、嫌がらせでそんな恰好してるんじゃないか、ってくらいのオレの位置からはっきりと見える。
サスケがビクって動いて、ベッドもキシリと音を立てた。

「はっあ、あぁ…。」

「ん、ごめんね。もう少し、で入るからな…。」

「あ、い、い…。」

「ん、何?」

「気にしなくていいから、う、動け…。」

「良いの?つらくないのか?」

「む、ムズムズするから早く…。」

フー、とカカシ先生が息を吐き出していた。
よいしょ、って体勢を整える。先生がサスケの腰をつかんだ。
カカシ先生のでかい手に捕まれたサスケの腰が、なんだかすこぶるエロい。

「あっ、」

ギシ、大きくベッドが鳴いた。

「あっ、はっうぁっあっうぎっ…。」

ベッドが大きく唸っている。それと同調しないサスケの苦しそうな声もオレの耳に届いて、なんだかオレの心臓もドクンと波打った。
ゆっくりとカーテンを戻す。
両手にびっしりと汗をかいてて、そういえばオレってば風邪引いてたんだ、と思い出した。
でももちろん、汗をかいているのは風邪のせいなんかじゃないってわかってる。
ドッドッドッドって心臓がすごい。なんかオレこのまま死んじゃうんじゃないのかな〜って思った。
顔に手を当てれば、すっげー熱くて、顔に熱が集まってるのもわかる。
でも、と視線を下に向ければ、オレの可愛い息子君も大きく反応しているように見えた…。
どうしよう…って泣きそうになる。
この息子君をどうしようって感じだけど、でも、それよりなにより、サスケ相手に勃起してるなんて…。
オレってホモだったのかもしれないってばよ…。

「あっ…、んんっ…、あっあっあぁっ…ん…。」

「ん…サスケ…。」

サスケの声がだんだんとあま〜くなってる。
ベッドがギシ、ギシ、って鳴るのと同じ…んでも、少しずれてるっていうか…。
とにかく!カカシ先生がチンポを動かしてるのに反応してあんあん喘いでるって感じなんだってばよ!さっきの声より!!
オレは大きく深呼吸した。もう一回このカーテンの向こうを見るために。

「あっ、うぐっ、だ、だ、めだ…。」

「ん・・・、久しぶりだから、な…。」

二人の荒い息が聞こえる。多分、鼻で息してる音。
二人は多分キスしてる。カカシ先生が、体を倒して、サスケに抱きついてるし、多分そう。
キスしながら、カカシ先生は変わらず腰動かして、なんかそれがすっげーエロかった。
オレはキスすらもまだ終わってないのに(いや、終わってるっちゃ終わってるけど…)、サスケはもうこんな所までしてんだなぁ、と思ったらなんだか妙な気分に陥る。

「も、もう、イク…んっ」

「あ、待って。俺もう少しだから、もうちょっと我慢して。」

「じゃ、じゃぁ体起こせ…!あ、当たって…、んぁっ…。」

「感じちゃう?えっちな子だね。」

いつものサスケなら、「ふざけんな、うすらトンカチ!」なんて言うと思う。
けど、今のサスケは何も言わずに、「あんあん」喘いでた。
余裕がないのかなって、思う…。カカシ先生だけにしか、多分見せない顔なんだってば。

「あっ、あっ、あぁっ…!あ、も、む、りだ…!」

「うん、良いよ…。俺もイキそ…。」

カカシ先生が、サスケの両膝んとこに両手を入れて、サスケの足を顔の横らへんに持ってた。(と、思う。)
そしたらまた、カカシ先生のちんぽがサスケの尻の中に入ってるのが見える。
よりいっそう、カカシ先生は腰(つーか尻)を動かして、ちんぽがピストンしてんのが見えた。
そこらへんのAVよりもよっぽどエロい。
いや、実際見るのとはやっぱり大違いか、とも思う。(モザイクなしだし)
けど、カカシ先生とサスケのホモえっち見て、オレってばオレってば、すっごい興奮してる。
さっきまで、この2人が恋人で、えっちな事してるってことにすっごいショックをうけてたのに、それよりも『興奮』のが、勝っちまった感じ。

「あ、深い…、くそっ、う、うぁっ……ぅんっ…。」

「んん…。」

ピクリ、ってカカシ先生の動きが止まった。ゆっくりと、サスケの中に沈めてじっと動かない。

「ん、すっごい締まる…。」

「あっ、あっ…あ、な、ナルト…。」

……………えっ!?

「な、ナルト…。」

サスケが、もう一度オレの名前を呼んだ。

…びっくりした。
もしかして、サスケってばオレの事が好きだったんじゃないだろうか。
だけど、オレってば、全然サスケの事気にしないで、サクラちゃんサクラちゃんで、そんで望みなくてカカシ先生とこんな事を?

あああああ、このバカバカオオバカヤロウ!!それならそうと言ってくれれば、

「ん、何?」

「な、ナルト、お、おきてないよな…?」

「あー、どうだろう。お前声でかかったよ。」

「アンタだってベッドギシギシさせやがって。」

って、んなわけないってばよね〜。

判ってたってばよ、この2人すんげーラブラブだったてばよ。
普通、好きな相手じゃなきゃちんぽ入れたり入れられたりできないってばよ。
判ってたってばよ。



そして、ふと視線を感じた。



「…。」


…カカシ先生と、目が合った。


カカシ先生が、顔だけこっちに向けてたんだ。
幸い、サスケはこっちを見ていない。目を瞑って、余韻に浸ってるみたいだ。(予想)

たら〜りと、嫌な汗が背中に流れる。ヒクリ、と口元が震えた。
ニヘラっなんて引きつった笑いを見せたら、はっとしたように先生の顔に焦りが見えた。
(てゆーか、本当にバレてないつもりだったんだ。)
先生が右手の人差し指を口元にもっていく。オレはコクコクとそれしかできない人形のように頷いた。

「カカシ、いいかげん抜け。」

サスケの声がして、びくっとしてカーテンから手を離した。

「ん、あ、あぁ・・・。ごめんね。」

オレはその場からゆっくりと立ち上がって、ベッドに近づく。掛け布団をめくれば、綺麗なシーツが見えた。
…サスケのほうのベッドは、シーツがぐちゃぐちゃになってるってばよ。んで、きっと汗まみれだってばよ。
…2人ともゴム、してないよな?(てゆーか中出し!?)
…絶対シーツが凄い事になってるってばよ…!!

うわぁぁぁ〜て思った。
本日何回目のうわぁぁぁ〜だろうって思った。
泣きそうになった。

股間が痛い。カーテンの向こうの2人が落ち着いたら、すぐ起きて、トイレに駆け込もうと思った。
オカズは何にしよう。昨日買ったエロ雑誌とかが良いかもしれない。
んでも、きっとオレはサスケをオカズにするんだろうなぁ、と思う。

親友をオカズにするなんて、オレってばいつからこんなやつになったんだろう・・・。

音を立てないように、慎重にベッドにのぼる。
布団がこすれる音がしたけど、半分麻痺してる脳は何も感じなかった。


これから、サスケ(と、カカシ先生)と普段どおり話せるだろうか。

すっごい不安だ。カカシ先生が邪魔で、サスケの上半身とか、顔とか、あとちんぽとか見えなかったけど、さ。
ピクピクしてた白い足と、あの甘ったるい声。

夢に出てきそうだと、そう思った。
むしろ、夢に出てきてくれって、そう思った。

カーテンが開かれる音がした。サスケがオレの背中を見ているのを感じる。
サスケから見えないとわかっていたから、瞳ははっきりとあけていた。

「寝てるよな、ナルト。」

自分に言い聞かせてるのか、オレに聞いてるのか。
興奮と不安が入り混じってるサスケの声がした。

「寝てるんじゃない〜?大丈夫だよ。」

今度は焦りと不安が入り混じってるカカシ先生の声がする。
このバカカシ先生め・・・、と心底思う。先生が無性にムカつく。



「寝てねーってばよ、うすらトンカチ。」



そう声に出しそうだったのを。

必死に、のどちんこぐらいで止めといた。




今度からカカシ先生を脅してラーメンおごってもらうってばよ!






end.

(2008/05/07)

2009/03/14 


ひっさびさのエロでいってみました。
第三者視点のカカサスエロだったので、すっげー難しかった。
ナルトのモノローグが多くて笑いました。
ギャグになったり、シリアスになったり、ナルトは忙しいやつです。
まぁあれです。2人がえっちしてる所を見てるときは大興奮しちゃって、股間もテントはってるわけですが
見てない時で考えたら、なんかもの凄い落ち込んじゃう、とかそんな感じです。
カカシがサスケに突っ込む瞬間を書きたいがためにこの小説を書いたんですが、説明が下手なんでよく判りませんね。
あ、あとイッた直後に「ナルト…。」って呟くサスケも書きたかった。

と、いうわけで08年の5月にこの作文は9割完成してたみたいです・・・。
もう何もいえない・・・。

小鳥由加子


カーテンの向こう。